先日本屋でおもしろい雑誌を見つけた。『自然を楽しむ週末別荘傑作選』。吉村順三の「名作別荘」から始まり、中村好文の作品などが取り上げられている。
吉村順三の別荘はとてもコンパクトで天井高も2m弱、全体の広さも30坪に満たない。「おもしろいもので、人間にとって居心地のよい広さというのは三間角、5.5mくらい」と吉村氏は語ったという。豪華さやデザイン性よりもそこに住む人の気持ち良さを最優先に考えられた空間。写真からもその気持ち良さが伝わってくる。
家づくりを始めるにあたり、最初に訪ねた建築家がいた。そこで通された居間は広く、暖炉があり、壁一面が本棚。天井も高く、客を呼び生演奏ができるほど広いものだった。最初はその「かっこよさ」に少し感動したが、よく考えれば所詮はそこは「客間」であり、居心地よい「居間」ではない。食事をしたり、静かに本を読んだりという生活する空間ではなかった。我々には必要ないものだ。
今できあがりつつある我々の居間は幅が5.5m弱。吉村氏のいう居心地のよい広さに近いものになっている。薪ストーブがあり、壁は杉板。吹き抜けで流れのある天井。そこに頼りがいのある大きな机、座り心地のいい椅子を置こうと思っている。
家全体でも30坪に満たない小さな家。「余計なものを削ぎ落としたときに得られる“贅沢”」を味わってみたい。
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