家づくりから始めるスローライフ

土地選びから始まったスローライフ日記

2006年09月05日

どうしてここに(2)

こうやってシリーズで書くのは飽き症の私にはかなり難しい。何回まで続くことか。

土地探しはかなり困難を極めた。市街化調整区域の壁である。この地域では街中から車で30分も行けば、畑や田んぼの緑が広がる。緑豊かな土地はすぐに見つかるだろうと思っていた。ところが、そういった土地はほとんどが市街化調整区域、住宅は建てられない。土地があっても土地がないという問題にぶちあたった。

当初家人の希望は海の見える場所。私の希望は緑豊かで静かな場所、具体的な希望はなかった。その場所に立てば「ここだ!」とわかると思っていた。不動産屋周り、ネットで検索する日々が続いた。分譲地や別荘地、中古住宅も見て回った。不動産屋の決まり文句は「ここなら夏○○の花火大会の花火が見えますよ」。一年に1回の花火大会で土地を決める気はない。どうしてどの不動産屋も同じことを言うのか不思議だった。

土地探しと同時に進めたのが建築家探しだ。ハウスメーカーや工務店に頼む気は全くなかった。一緒に悩み、考え、我々も深く関与してつくり上げる、そういう家づくりをしたかった。土地が決まっていない時期に探し始めたのは土地探しからアドバイスをしてもらいたかったためだ。

最初に連絡を取ったのはこの地域では老舗らしい建築家だった。コンクリート造のモダンな家づくりをしている。しかしこれは大失敗だった。我々の目指す一緒に家づくりをするという希望には合わない。少しの話の中からこちらの希望が全てわかったというようにどんどん話を進めていく。このテンポにはついていけない。

次に連絡をとったのが、住環境研究所。私が理想としていたのはやさしさのある木の家。住環境研究所のサイトを見て、理想のイメージに合うこと、そしてクオリティとデザイン性の高さに魅かれた。しかし、返事は「今他の仕事で手一杯なので1ヶ月後でなければ会えない」。1ヶ月待てるかどうか。

その間にも土地探しは進み、家人の希望の海のほとりの土地が見つかった。住環境研究所に後ろ髪ひかれつつも、別の建築家に連絡をとった。この建築家は若く、人気も高い。会ってみると人柄も悪くない。話は進み始めた。しかし、私の中では「ここでいいのか、この人でいいのか」という不安があった。

不安は的中した。土地は地盤が悪く改良が必要だ。価格は下げてくれたが、改良費などを考えると予算はかなり厳しくなる。建築家とも相談し、この土地はあきらめることにした。私自身はほっとした。

そうこうしているうちに、住環境研究所に初めて連絡を入れてから1ヶ月がたった。所長から連絡が入り5月の連休中に会うことになった。事務所の隣には所長の自宅がある。この事務所と自宅を見た瞬間、我々の中で建築家探しは終わっていた。ここにお願いしよう。

事務所のドアを開けると想像どおり、あたたかい空間が待っていた。所長は今まで会った2人の建築家とは全く違う雰囲気を持つ。オープンシステムや家づくりの過程の説明が静かに行われ、最後に自宅を見学。こういうやさしい家で暮らしたい、自分たちの暮らしが想像できる空間だった。こうして建築家が決まり、この日が本当の家づくりのスタートとなった。(敬称略)

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