家づくりから始めるスローライフ

土地選びから始まったスローライフ日記

2006年09月06日

どうしてここに(3)

このごろ佐藤愛子の『我が老後』シリーズにはまっている。5冊シリーズで『なんでこうなるの』、『だからこうなるの』、『そして、こうなった』、『それからどうなる』といったタイトルがついている。佐藤愛子の豪快な語り口がとても気持ちがいい。

建築家は決まったが、土地がなかなか決まらない。時間が経つにつれ、行き詰まり、疲れてきた。そんなとき目に留まったのが、「あなたにピッタリの土地を必ず見つけます」という不動産屋のチラシだった。「ほんまやな」と突っ込みたくなるいかにも怪しいコピーだが、行き詰まりを感じていた我々は訪ねてみることにした。

店で待っていたのはハキハキした感じのいい若者だった。希望を伝えると「海の見えるところですね、今から行きましょう」と立ち上がった。住所は聞いたが我々の知らない地名。とりあえず車で後ろをついて行く。これが何とも遠い。まだかまだか。1時間ほど走っただろうか、やっと到着。そこは海は海だが、太平洋だった。我々の考えていた海は湖。太平洋は初めてだ。確かに希望どおりだが、国道からの音がうるさく目の前に怪しいホテルが見える。「もう少し静かなところが。。。」と言うと、「静かなところですね、では行きましょう」。また1時間近くかけて戻り、店で不動産屋の車に乗り換え走る。案内されたのは現在我が家が建っている西隣の土地だった。

「そこに立てばここだ!と直感でわかる」と信じていたが、ここに初めて立ったとき直感はなかった。ただ「静か」という印象だけだった。

その後もしばらく土地巡りを続けたが、その間もここを何回か訪れた。するとだんたんここに来ると何とものんびりと落ち着いた気分になる。「ここかも知れない」、そう思い始めた。

いよいよ土地は2カ所にしぼられた。ここと、もう一つは海(湖)の見える5軒の分譲地だった。どちらがいいか住環境研究所の所長の意見を聞いてみようということになった。所長は快く引き受けてくれた。最初は海の見える分譲地。反応は今ひとつ。何やら計って「うーん」とコメントなし。そしてここ。「あちらより良いけど、ここは他より低くなっているので水はけが心配」。ほとんどここに決めていた私はがっかり。そこで一つ質問。「こちらの土地だったら、どうですか?」と東側の高くなった土地を指差す。「こちらなら水はけは心配ないでしょう、隣の畑も道路に面していないので、将来住宅になる可能性は低い」、そんな答えだったように思う。

何度かこの場所を訪れるうちに紹介された土地の東側(現在我が家が建っているところ)が気になっていた。もしここを買うのだったら、こちらも買えないか聞いてみようと思っていたのだ(実際には予算がないので全く無理)。その足で不動産屋へ趣き、土地が売り出されているか聞いてみた。「もう決まっています」。またまたまたがっかり。「でも、ちょっと待ってください、確認します」。不動産屋が電話をかける。受話器を置き、しばらく待つ。電話が鳴る。話をする。我々の方を向く。「大丈夫です」。

何やら不動産屋間で交渉があり、いきなり大丈夫になってしまった。まだ我々は買うと言った訳でもないのに。「僕は海より山の方がお二人に合うんではないかと思っていました」と不動産屋。「ほんまか?」とまたまた突っ込みたくなる。

土地の詳しい説明を聞くと住宅を建てるのはいくつかクリアするハードルがあった。水道、下水道はもちろんない、一番のネックは「都市計画法」。この法律に定められた条件を満たさなければ家を建てることはできない、期限も決められている。この後もネット検索、役所巡りの日々が続くこととなった。(敬称略)

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